ICARUS†(DBM)EXHARD

DBM基準だと冥の上位互換とも言える超難関譜面である黒イカDBMをついにEXHARDすることができました。過去最高レベルの取り組み具合でした。

今回はこの譜面のための練習した内容と、練習の過程で気づいたポイントを解説していきます。
 
①譜面の特徴
譜面構成は冥と同様の中盤難ですが、餡蜜基準だと前半は多重押し事故要素が多く、中盤は低速部分の時点で気を抜けなく、中速部分ではハンバーガー理論(後述)によるBADハマリが起こりやすく、高速部分では冥以上の連打と配置、後半もトリルでうっかり早BADを出しがち、というようにソフラン・連打・配置・フィジカル・事故要素のどれを取っても冥を上回ります(正規餡蜜基準の話ですが)。
局所難なのでダメージ量2倍のDBMだと捨てノーツも躊躇うので更に厄介な所。
 
②練習曲
冥DBM・・・必須。
thunder HOUSE NATION Remix(L)ガチ押し・・・余裕があれば推奨。実質bpm256の8分同時押しなので、フィジカルの基礎には最適。厳しければビタチョコあたりから。
KAISER PHOENIX(L)DBM・・・前半用。多重押し餡蜜の練習譜面に最適。
Liberation DBM・・・13連打は黒イカにも登場します。
超青少年ノ為ノ超多幸ナ超古典的超舞曲(L)DBM・・・連打力が鍛えられます。
GuNGNiR(L)DBM・・・bpm222を標準速度と思えた方がいいかも。
 
毎度ながら単なる目安なので、上2つ以外は参考程度に。
 
③練習の流れ
この難易度の譜面をEXHするなら全箇所完全暗記は必須です。bpm150の8分でほぼ全小節何も見ずに餡蜜を再現できるくらいにはしておきたいです。
暗記までの過程は長年悩まされますが、ここ最近段々効率の良いやり方を確立していってる感じがします。
今回の大まかな流れは以下の通り。
1周目:等速(bpm176)で1小節区切り反復練習
2周目:bpm140程度でなるべく譜面を見ずに1小節区切り反復練習(忘れたらすぐ譜面確認)
3周目:等速で2周目と同様にステルス練習
4周目以降:1周目と3周目の練習を克服したい箇所を中心に反復
 
上記を繰り返せば自然と体が覚えてくるので、徐々に1つ1つしっかり暗譜する意識をする&中盤は特にメトロノームで反復練習といった流れです。
これでハードは問題なくできますが、EXHはこれに加えて色んな練習をしたので後述にて説明します。
 
④-1 譜面の解説(前半)
前半も押しにくくて結構難しいのですが、ここはなるべく安定させましょう。
前半抜けの時点でゲージが多いに越したことはありませんが、結果的にbpm211時点で100%に持っていけばいいのでここは大体70%くらいあればどうにでもなるくらいの気持ちで力抜いて挑みましょう。
 
何気に注意しておきたい箇所が以下の部分。
 
左の餡蜜は23456配置を人中薬の3本指で2回連続で行うやり方ですが、意外と同時押しがすっぽ抜けやすい上にい勢いついてタイミングも早くなりすぎるため、ここで即落ちというのが何度かありました。
右のやり方なら全然事故らなくなりました。
運指の負担的には左の方が楽そうですが、運指が楽だからこそタイミングや配置のコントロールが曖昧になりやすい場合もあるので、敢えて少し押しにくくして餡蜜にテンションを付けるとかえって安定度が増すことがあります。
 
他にも難しい箇所はいくつかあったのですが、前半は頑張りすぎる必要がないので上下寄せなりしてある程度のゲージ量で耐えれば何でもいいです。
 
④-2 譜面の解説(中盤)
中盤はbpm126から251まで加速しますが、どのbpmの箇所でも十分に気を付けなければいけない難易度です。フィジカル的な最難所はbpm221~231、技術的な分かれ目はbpm211、タイミング的な難所(個人的にはここが厄介)はbpm161~201です。
 
・bpm126~156(低速)
低速パート。遅くてタイミングも若干シビアなので精神的にしんどい部分。
 
本格的に難しくなるのはbpm161からなので、ここも80%くらいキープできると精神的に有利。
bpm126・・・ここはガチ押しで落ち着いて入りましょう。
bpm131・・・餡蜜開始。bpmが遅い上に直前のbpm126でガチ押し早入り気味なので、ここはほんの少し遅めの餡蜜を意識。3連打でリズムを崩されがちなので、連打部分は特にはっきりとした打鍵で叩くことで安定感が増します。
bpm136・・・コツはbpm131と同様ですが、少し早くなってるので気づいたら押し遅れてるってことがないように。
bpm141・・・緊張も相まって早BADが出やすい箇所。後ろの2357⇒46配置で遅入りを意識すると事故りにくくなります。
bpm146・・・運指的に中々難しい同時押し。ここが低速で最も練習が必要な箇所。EDENのような8分同時押し曲のDBSRをやり込むとこういう配置耐性は身につくと思います。
bpm151・・・特になし。とにかく丁寧に。
bpm156・・・ここはガチ押しの方が良いです。不思議と餡蜜の方がコンボ切りやすく、更にこの後の中速パートでは判定を遅入りベースから早入りベースに徐々に切り替えていくため、ここでジャストを狙うことで判定の感覚を調整した方が良いでしょう。
 
 
・bpm161~201(中速)
中速パート。ここで落ちる原因で最も多いのがハンバーガー理論によるBADハマリです。落ちた回数だとここが一番多いのもそのせいです。また、中速といいつつ5連符や16分も絡むため、フィジカル的にもかなりの難易度です。
 
ここは「順調に回復」か「一瞬でゲージ空」のどちらかなので、あまりゲージを気にせずに曲に合わせてノリノリかつ丁寧に餡蜜を実行していくことに尽きます。理想的にはbpm211到達頃にはほぼ100%近い状態に持っていきたいですが。
 
bpm161・・・bpm150超えているのでジャスト気味に押せたら良いのですが、ここは多少遅め意識でもまだ大丈夫です。ただし16分2連打についてはハンバーガー理論によるBADハマリの原因になるので、16分だけはフライング気味の方が安全です。
bpm166・・・少し速くなっているのでいよいよジャストを狙う頃合いです。16分2連打もあるのでここで少しでも押し遅れるとまたまたハンバーガー理論によるBADハマリです。
bpm171・・・ここも同様にジャストで。bpm171だとまだ早めを意識するにはリスキーでしょう。比較的押しやすいので一旦落ち着くポイントです。ここまではとにかく2鍵のリズムを強く意識をして曲に合わせるのが事故防止に繋がります。
bpm176・・・ここは単純に難しい。5連符リズムに加えて56北斗や123同時で押しにくさでも難易度を上げてます。どの同時押しがどこら辺のノーツとノーツの間を狙っているかを事前に把握して、本番ではそれを注視しつつ曲の速度にも合わせる感覚です。押し間違いやすいので中速パートで事故りやすい箇所の一つ。
bpm181~186・・・配置はbpm176よりマシになったものの、上下寄せ餡蜜のためタイミングがシビアかつ、加速が頻繁になっていくため、早BAD等の事故が起きやすい箇所。加速の勢いに圧倒されて早押ししすぎるととにかくBADが出やすいので、ある意味ここが最もジャストに取るべき箇所。
bpm191~196・・・最後のハンバーガー理論によるBADハマリ誘発箇所であり、bpm196アタマの2連打が少しでも遅れると以降はBADハマリ確定です。速い上に連打入った瞬間に加速もするのでとても厄介。かといってそれに気を取られてbpm191の同時押しで早入りしすぎてもBADが出るので、bpm191まではジャスト意識をしつつもギリギリ許容される範囲で早めを意識して、bpm196に入った瞬間に最初の2連打は気合で速く押す。中速パートの正念場ともいえる箇所でしょう。
bpm201・・・bpm181と配置が似てますが、bpmが速いのであちらと違ってタイミングはそこまで気を付ける必要がないです。代わりにフィジカル難易度は上がっているので、ここからは筋肉勝負です。2鍵絡みの歯抜け連打を実質bpm125の16分で実行するので、脱力をして押しましょう。この後が最難所なので、ここはノリノリな気分で叩いて勢いにのったまま次の難所に向かうぜ的な一種の何とかハイ状態が良いでしょう。ここで緊張して力んだら以降は押せません。
 
 
ハンバーガー理論の説明
ここまでで何度も出てきた「ハンバーガー理論によるBADハマリ」について下記の画像を使って説明します。
 
①は実際の譜面です。この場合は3連打⇒1ノーツ。②と③は実際に叩いたタイミングです。
黄緑の横線は1ノーツ目のGOOD幅の上限、赤の横線は1ノーツ目と2ノーツ目の中間。
bpm150を超える曲なら赤い線より黄緑の線の方が上にくるのは自明。
通常の場合は黄緑の線までに叩けばそのノーツは拾えているのですが、画像のように連打になっている場合は話が別です。
②のように叩けば問題なく繋がります。一方で、③のように赤線を超えた後に叩いた場合、黄緑線内で叩いているので一見すると問題ないように見えますが、2ノーツ目のGOOD幅にも入っています。
この場合は、近い方のノーツを拾ったことと判定され、つまり赤い線より後ろのタイミングで叩いた場合はたとえ1ノーツ目の許容幅内だとしても2ノーツ目を拾ったと判定されるのです(図のオレンジの矢印参照)。
1ノーツ目は見逃し扱いで叩く個数自体は元の譜面と同じのため、1個見逃した上に1個余分に叩いたことになる最悪の事態に陥ります。
 
この現象を黒イカのbpm161~171地帯に例えると、以下の画像の通り大変悲惨な結果になりますし何度も経験済です。
 
 
・bpm211~251(高速)
高速パート。ここからはソフランによる難しさは特に無く、ほぼフィジカル勝負といった所です。ただしbpm211の4連打だけは片手スイッチといった特殊な技術が要るので、ここで上手く行くかが勝負の分かれ目です。

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bpm211・・・難関だけど意地でも繋いでおきたい箇所。まずは5連符部分は速度負けしないように徹底的にフィジカル練習必須。bpm260近くあるのでここはガチ押しの感覚に近い。次に黄色く囲った4連打の処理は普通に押すと困難ですが、片手スイッチの要領で親人⇒中薬小⇒親人と脱力気味に押すと上手くいけば繋がります。強打するとボタンが戻りにくくなりスイッチが成立しないので注意。
bpm221・・・DBM的には最難所だと思います。速い・押しにくい・ハマるの3拍子。全部取るのは厳しいと判断したので1か所(2ノーツ)捨ててます。ここはさっきと違ってコツは特にありません。練習あるのみです。
bpm231・・・気合い。ただし3連打の部分は気持ち早めに8分押しして接続を狙ってます。ここを捨てるとbpm221の捨てノーツと合わせて72%分になるので、ここは片方でも拾えたらいいくらいの気持ちです(動画でも片方は拾えて18%分軽減してました)。幸いこの後ろの2鍵がないので、遅れてもBADハマリの心配はありません。
bpm241・・・スーパー気合い。ひたすら筋肉。bpm231までで筋力を使い切るとここで追いつかないこともあるので毎日連打の持久力トレーニングしましょう。
bpm251・・・ハイパー気合い。地味に後ろの方が中5絡みで押しにくいんですが、ここまでこれたら気合いで押し切りましょう。

●片手スイッチの説明
SPやDDRだとしばしば使われるスイッチ処理(連打を複数の指or足で交互に処理するテクニック)ですが、DPだと使われるのはかなりレアです。

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イカDBMの12⇒246⇒12配置については、上記の画像の通り、親人と中薬小でスイッチ処理をします。イメージ的には12と467トリルをする感覚。
コツは画像のように手首を少し中央寄りに傾けて、ボタンもなるべく端寄りを叩いて指同士が喧嘩しないようにすることです。慣れると楽しいですよ。
ちなみに手首を傾けているため、bpm221に入ったらすぐに戻して本来の押し方に素早く切り替える練習もしてました。スイッチポジションは解除するまでが練習。
 
④-3 譜面の解説(後半)
一応ウイニングランなのですが、決して甘い譜面ではないのでしっかり対策(勿論暗記)します。
特に気を付けたいのが意外にも以下の箇所。

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まず普通なら小5で13456と餡蜜している箇所も安全を取って上下寄せでより簡単にしています。後半は間違いなく緊張するので見栄張ってられないです。
81小節も単なる繰り返しなのですが、見やすすぎて早BADが出まくったことがあったので、ここは常に気持ち遅めに叩くのを覚えておく。ハードで何度もこの意識はシミュレート済。
ちなみに中盤を初めてEXH抜けたときは緊張というよりも何かふわっとした謎の感情があった記憶があります。謎の感情を持ちながらも意外と落ち着いてて「ここは大事にいこう」ってなりました。ゲージが半分以上残ってたからでしょうか(ギリだと間違いなく足とかガクガクになる)。
 
譜面の解説は以上です。
 
⑤EXHのために取り組んだ練習
次にEXHするためにプラスαで行った練習を紹介します。
 
・敢えてゆっくりな速度でステルス練習
普通はbpmを速く設定して負荷を大きくするのが主流ですが、丸暗記必須なくらい難しい譜面の場合はbpmを遅く設定して何も見ずに再現する練習も有効です。
譜面を覚えていても、体が何となく動きを覚えていたり、譜面の流れを連続的に覚えている場合が殆どであり、意外にもbpm70の8分のような極端に遅い速度でステルス練習をすることは、譜面の前後の記憶に頼ることができないため、一つ一つの配置を意識して覚えていないと実行が難しいものです。
覚えてるのに何か細かいミスが出る時は、極端に遅い速度で何も見ずに再現する練習がオススメです。
 
・必要以上に速い速度で部分練習
いつものフィジカル練習の延長戦上ですが、bpm240~260くらいで部分的な苦手箇所を3~7打鍵ずつ反復してました。脱力しないと間に合わない速度なので持久力以外は良い練習になったかと。
 
・手を大きめに上げながら打鍵
これは紙で作ったコントローラー人向けの話ですが、紙コンと実際の鍵盤だと鍵盤の出っ張りの大きさに差があるため、多少の手の上下のブレにも対応できるように、15~20cmくらい浮かしながらゆっくり練習してました。
 
・緑数字大きめでDBSRのスコア狙い
これは結構効いたと思います。黒イカの中速パートは自分の場合は緑数字370~460でやるようなもんなので、この緑数字であのタイミングがシビアなBADハマリ誘発配置を凌がないといけません。
つまり、「緑数字400前後で」「連打がそこそこある譜面」「判定を掴む練習」という3点を満たすのは緑数字大きめDBSRスコア狙いが有効になります。
☆8~10弱あたりのbpmの遅い譜面を中心に行っていました。この難易度帯の低bpm曲は好きな曲が多いので良いリフレッシュにもなりました。
 
・緑数字大きめでDBM即興餡蜜
頻度は少ないですが一応役に立った練習。シュラークやカイザー灰のような即興餡蜜しやすい譜面を緑数字大きめで餡蜜する練習です。これをやると黒イカのbpm131~151であまり緊張しなくなりました。
 
・黒イカ用のメトロノームの聴き込み
BMSEでハンクラ等を使って練習したいリズムを作ります。今回は黒イカの餡蜜用のリズム(早入り、遅入りは64分で適宜再現)を作り、それを何度も聴きました。
聴きながら餡蜜再現する練習が意外と難しいので、結構これも本番に活きたんじゃないかと。
 
・敢えて軸部分をCNっぽく押す練習
bpm221の指の動きはこれが結構役に立ちました。例えば1235⇒1457は15が軸なので、15だけCNっぽく押したまま残りの23⇒47を反復することです。
他にも1246⇒123では12CNしながら46⇒3の反復です。
苦手な箇所に限ってこの練習は実行が難しいのでかなり指に効いてます。軸絡みの難しい同時押しの移動パターンに使えると思います。
 
・その他
隙あらば黒イカのことばっか考えていたので、他にも色んな練習してたと思います。
片手のみとか、裏拍開始とか、スキップリズムとか、ストーンキラーとか。練習パターンは選り好みせずに、気になったものは片っ端からやりましょう。
 
⑥リザルト

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自分の取り組みの中でも一番頑張ったかつ最もやばいリザルトの1つだと思います。
冥DBMEXH以上のは無理と思ってた時期もあったので嬉しいです。
 
⑦まとめ
色々書きましたが、最後に大事なのは動画説明文に書いた通り「気合い」です。
どんなに上手くても練習してても繰り返し挑戦しないと成果は出ないので、何より気合いです。引き続きゲームを楽しんでいきます。